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vol.72 利益を生み出す装置-12012.05.22

利益を生み出す装置-1

私が大学を卒業し株式会社三隆製作へ入社したのは40年前、1972年。
桜咲く頃でした。

同年 現在では弊社の主力製品であるエレベーター型でバレルを搭載した一号機
製作されました。
当時としては生産性を飛躍的に揚げる装置として注目され、『投資資金が
一年で回収出来る!』
等の噂も有りました。
クロメート処理工程もライン内にあるこの一号機は、つい最近まで現役で稼働して
いました。

その後、タッピング・小ネジ等の小物製品を対象とするフタの無いバレル
(株式会社キョークロ様の特許)を開発し、しばらくこの装置が 主力製品として
省人化に寄与してきました。

次に挑んだのは、連続ベーキング炉でした。
当時はバッジ式のベーキング炉を10台、20台と並べて人海戦術でベーキング処理を
行っていました。
弊社はクロメート処理に使用している処理カゴに注目、めっき後製品を処理カゴに
受けて ベーキング処理・クロメート処理 ・脱水乾燥を行うことを前提とする設計に
取り掛かり、連続ベーキング炉を完成させました。

開発したベーキング炉は、両端にターンテーブルを配置し左右のテーブルの高さに
差をつけ、その間をフリーコンベアーで繋げる構造をしていました。
入口は炉の最高部にあり、重力で出口(下)へ降りて行くものです。
従って、駆動部は両端のテーブルを回転させるだけです。
しかし、これに問題が出ました。
炉内温度が200℃有るため、フリーローラーの軸受部がすぐにダメージを受け転がら
なくなるトラブルが発生し、対応に苦慮しました。
夜中には私も含め交替でカゴが詰まった時に補助をする作業が暫く続きました。
その後、500℃対応の耐熱グリスを発見、この問題に終止符が打たれました。

この連続ベーキング炉の完成により4名の人員削減 、24時間作業では8名の人員削減
となり、更に電気代の削減にも寄与しました。

従来のベーキング処理は、200℃に昇温しても製品を取り出す為には炉を開放して
温度を下げてから製品を出していました。
しかし弊社の連続ベーキング炉は200℃に昇温・キープし、放熱しないのでその分
の省エネに貢献。
更に2年後、熱源をLPGに変更。熱源コストは 電気:LPG=2.5:1なので、
年間 840万円(当時価格) のコストダウンに貢献。

その後、開放型バレルでは、ワークのボルトの長さが100mm以上ある場合は
投入量を減らさないと入口からワークがこぼれてしまう為、フタの開閉を自動化
したバレルの要求があり、開発に着手。バレル蓋自動開閉ロボットを実現しました。
これが現在の主力となっています。

利益を生み出す装置-2に続く。

株式会社 三隆製作

〒434-0046
静岡県浜松市浜名区染地台六丁目5番12号
TEL:053-584-5539(代)
FAX:053-584-5540

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