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vol.37【めっき新方式の提案 №1】タッピングボルト2010.12.21

【めっき新方式の提案 №1】タッピングボルトにめっきする


タッピングボルト(もしくはビス)と言われている製品をめっきする場合に
困難な点が2つあります。

 1. 表面積が大きいこと
(M4・・・25dm2/kg、M5・・・20dm2/kg、M6・・・18dm2/kg)
2. 先端が鋭利で小さいこと

1. の理由のために、一回の投入量が少ない。
2. の理由のために、バレルの穴径が小さくなる。そのため、バレル内外の液の
交換がより困難になり、電気抵抗も大きくなります。さらに先端が鋭利である
ため、バレルのフタに挟まりやすく、めっき不良の原因となりやすい。

上記の2点をふまえて現状行われているめっきの方法は、バレル本体を小さくした
少量の投入と電圧の高い通電方法
となっています。

そこで、提案する【めっき新方式】は
開放型(補助陽極付)バレルによるめっき
 です。

この方法は、以下のように従来のめっき方法の困難な点を解消します。
1. 大量に投入可能
2. めっき液の内外交換が容易
3. 電気抵抗が小さい(補助陽極効果)
4. フタがないので、挟まり不良がない

新方式は、大量投入による生産性の拡大、電気抵抗が少ないことによる
電気代低減等のコスト削減効果が期待できます。
それでは、具体的に従来の方式と新方式にかかる電気代を比べてみましょう。

まず従来の方式でタッピングボルトをめっきする場合>のコスト計算です。
<条件>
【バレル寸法】  対角 300mm
長さ 500mm
バレル穴径 1φ~1.5φ
【バレル投入量】 10~15kg
【めっき時間】  70分
【整流器】    10V  375A・・・24台
(サイリスター型 変換効率0.716)
【生産量】    1時間当たり 300kg   月生産量 180t

上記条件の場合、
◎ めっきに係る電気代は、
10V×375A÷1000÷0.716×24台×24H×25日=75,418KWH/月

◎ 電解熱による液温上昇を抑えるための電気代は、
10V×375A×0.86×24台=77,400kcal/H
77,400kcal/H×0.8=61,920kcal/H
61,920kcal/H÷860kcal=72KW

72KWは、RCUP750A2 チラーユニット相当(消費電力29.4KW)
29.4KW×24H×25日=17,640KWH/月

75,418KWH/月+17,640KWH/月=93,058KWH/月

93,058KWH÷180,000kg=0.517KW/kg
15円/KWH×0.517KW/kg=7.755円/kg (1KHW=15円で計算)

上記計算により、従来の方式でタッピングボルト 1kgをめっきするためにかかる
電気代は 7.755円 とわかりました。

それでは次回、新方式でタッピングボルトをめっきする時に係る電気代を計算し、
比較します。

株式会社 三隆製作

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