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亜鉛めっき バレルドラム汲み出し量の分析 vol.1562017.04.28

亜鉛めっき バレルドラム汲み出し量の分析

水抜き穴の形状により汲み出し量を測定しました。

1. 通常の3mm丸穴では、表面張力の影響を受けている事がわかります。
液切り動作(バレルドラム回転)も効果が少ない結果です。

2. 長穴の水抜き穴では、汲み出し量・液切り削減効果が大きいといえます。

<例>
タクトタイム 2分・稼働 24時/日・25日/月・稼働率 90%・16,200バレル/月
製品表面積 300dm2/バレル・水抜き穴 3mmの場合・汲み出し量 2L/バレル(推定)
2L/バレル × 16,200バレル/月 = 32,400L/各工程

弊社新システムでは、製品投入量を4倍(1,200dm2/バレル)にして、8分タクトにします。
タクトタイム 8分・24時/日・25日/月・稼働率 93% ・ 3,766バレル/月
水抜き穴 4mm × 20mm長穴を採用、汲み出し量 0.8L/バレル(推定)
0.8L/バレル × 3,766バレル/月 = 3,012L/各工程
汲み出し量 1/10に削減、つまり、薬品補給量が1/10になります。
従って、薬品使用量が激減。「より少ない薬品使用量で」を実践します。

キャリアー式バレルめっき装置・水洗効果
最近、排水量を削減する目的でキャリアー式ラインの水洗槽を2段 → 5段にして多段式効果を狙ったテストデーターを拝見しました。
しかし、キャリアー式の場合の水洗滞在時間はタクトタイムの影響下にあるため、5秒~10秒しかとれず、多段式にした効果がありませんでした。

おそらく、バレルドラム内の汚れは、各段の水洗槽での洗浄では不充分だったと推測。
滞在時間を1分程度にしたり、液切り動作を追加したりする事で多段水洗効果が出ると考えます。
バレルめっきの場合は、製品がバレルドラム内にあるため、製品の洗浄には水洗滞在時間を確保する必要があります。
現状のタクトタイムでは洗浄が不充分なため、給水使用量が多くなっていると推察します。
また、近い将来、水使用量の規制・排水量規制が起こる事が考えられます。
既に中国では新規参入時では厳しい規制がかけられています。私の友人(韓国)は中国での新規工場における排水規制が1,000m3/日 → 70m3/日に突然削減されて、操業停止に追い込まれています。
つまり、中国では外国企業に対しては無排水を条件にしたものと考えられます。

クロメート液・消耗と補給
クロメート処理工程では、消耗量はA剤・B剤共 0.1ml/dm2 (ボルト類は、0.12ml/dm2)。
300dm2/バレルの場合の消耗量は、A剤 30ml/バレル、B剤 5ml/バレルとなります。
建浴濃度は、A剤 70ml/L 、B剤 10ml/L。
汲み出し量が1.5L/カゴであれば、補給量はA剤 105ml/回、B剤 15ml/回になります。
製品表面積による消耗補給量より、汲み出し量による補給量の方が大きいのです。
したがって汲み出し量・汲み出し回数を減らす工夫が必要です。

 

省エネタイプ、エレベーター型亜鉛バレルめっき装置のリーディングカンパニー
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