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地球環境を守る為に、めっき業界もCO2を削減しましょう! vol.1512017.01.01

地球環境を守る為にめっき業界もCO2を削減しましょう!!!

「パリ協定」発行に伴い新たなCO2削減目標に向かって進む事になりました。
皆様の取り組みのお手伝いをさせていただきます。

CO2を減らすには、電気使用量を減らす工夫が一番です。
1 一般的には照明類は使用しない場合は「OFF」に。
2 待機電源は使用しない。
3 エアコン等は設定温度を守る。

福島の原子力発電所停止時は混乱がありました。
しかし、一年後には国民の節電意識の浸透により電力の不足は解消されました。日本人の対応力には改めて凄さを感じます。
めっき業界でもCO2を削減する事は可能です。弊社の取り組みにちょっとお時間を貸して下さい。

現状ラインを新設にする場合は
1 めっき工程(ジンケート浴)において、膜厚を折出させる方法条件を変更してください。
現状では、電流密度 1.0A/dm2でめっき時間を50分~60分に設定しています。
電流密度 0.5A/dm2 ・めっき時間 80分に変更する事で電気使用量は1/5削減します。
効果は、200T/月生産ラインの場合、 整流器の電気使用量 31,363kwh/月 →6,444kw/h月。
月24,919kw/h削減すれば、年間では299,028kwhの削減になります。
10,000kwhは二酸化炭素5.5t-CO2に換算されるので、299,028kwh/年=164.45t-CO2を削減する事になります。

2 整流器をサイリスタ型からインバーター型に機種変更をお願いします。
サイリスタ型は定格電圧により一次側電気が固定されてしまいます。
定格電圧 15Vの整流器の場合、電圧10Vで使用していても定格電圧の15Vで電気使用量は計算されてしまいます。
更に力率(交流電源を直流電源に変換する場合の変換効率)が0.71になります。

例えば、整流器を12V 5,000Aで使用した時の電気使用量は
15V(定格電圧) × 5,000A ÷ 1,000(kwに変換) ÷ 0.71(整流器の力率) = 105.6kw/h
105.6kw/h × 15h /日 × 22日/月 × 0.9 × 12ヶ月 = 376,358kwh/年

インバーター型の整流器では
12V × 5,000A ÷ 1,000 ÷ 0.82(力率) = 73.17kw/h
1バレル1電源の場合・電流密度 0.5A/dm2では 500A/バレル → 250A/バレル
5V × 250A ÷ 1,000 ÷ 0.92(弊社使用の整流器の力率) × 16台(整流器) = 21.7kw/h
21.7kw/h × 15h/日 × 22日/月 × 0.9 × 12ヶ月 = 77,338.8kwh/年

稼働時間 15h/日・22日/月・稼働率 90%であれば削減電気使用量は
(105.6kw/h – 21.7kw/h) × 15h/日 × 22日/月 × 0.9 × 12ヶ月 = 29.9万kwh/年
29.9万kwh × 5.5t-CO2 = 164.45t-CO2/年
※ 1,000T/月のラインでは240万kwh/年になります。1,320t-CO2削減

3 静止ラインにおける提案
100dm2/ハンガーのラインでは、電流密度 3.0A/dm2にて20分のめっき時間を設定
1電源か2電源にて電圧制御で通電しています。
6V 6,000A (整流器の定格電圧 12V)
電気使用量 12V × 6,000A ÷ 1,000 ÷ 0.71 = 101.4kw/h

1電源・1ハンガー・定電流制御に変更した場合 10V-500A インバーター型・20台
電気使用量 4V × 300A ÷ 1,000 ÷ 0.92 × 20台 = 26.0kw/h
稼働時間 24h/日・25日/月・稼働率 90%のラインであれば
(101.4kw/h – 26.0kw/h) × 24h/日 × 25日/月 × 0.9 = 40,716kwh/月・488,592kwh/年
48.8万kwh × 5.5t-CO2 = 268.4t-CO2/年 削減出来ます。

4 亜鉛バレルめっきラインにおける薬品使用量の削減
バレルめっきラインにおける薬品使用量は薬品汲み出し量・汲み出し回数を減らす事で1/4~1/8に、つまり、現状の薬品補給量を20%~25%に削減出来ます。
バレルドラムの汲み出し量の原因は水抜き穴の表面張力の悪戯なのです。
1) 水抜き穴を表面張力の働かない形状に変更、弊社では長穴を採用しています。
2) 汲み出し回数を減らす、投入量を2倍・3倍にすれば汲み出し回数は1/2・1/3に。

バレルドラムの汲み出し量は水抜き穴のサイズにもよりますが、2L/回とされています
製品の形状により更に汲み出し量が増える事もよく見かけます。
※ 200T/月 230秒タクト・15h/日・22日/月・稼働率 90% ・4,650バレル/月
汲み出し量 2L/回(大型ペットボトルと同等)4,650バレル/月 × 2L/バレル = 9,300L/月
各工程(脱脂・酸洗・電解脱脂・めっき・硝酸・クロメート)で9,300Lの薬液が排出

汲み出し量が0.5L/回であれば 4,650バレル/月 × 0.5L/バレル = 2,325L/月
9,300L/月 – 2,325L/月 = 6,975L/月が削減 各工程薬液に含まれる薬品量が減ります。
各工程に補給している薬品が1/4で済みます。
200T/月 ÷ 4,650バレル/月 = 43kg/バレル(平均投入量) → 86kg/バレルに倍増すれば
230秒タクト → 460秒タクトに、4,650バレル → 2,325バレル/月に半減
2,325バレル/月 × 0.5L/バレル = 1,162.5L/月 1/8に削減出来ます。

5 給水使用量の削減
どの様な基準で給水をしていますか?
1) 水洗槽の透明度ですか?
2) 水洗槽の容量を1時間で交換出来る補給ですか?
3) 薬品の汲み出し量を考えて補給いていますか?
弊社では水洗槽の汚れ具合を測定して給水する方法を採用しています。

6 ベーキング炉の提案
ベーキング処理仕様の製品(高炭素鋼ボルト類)は連続ベーキング炉を採用してめっき装置内にインライン化しています。
熱源コストを0.5円/kgに抑えて設計しています。
最近欧米規格では、「めっき後2時間以内に製品温度を200℃に昇温」が採用されるようです。

7 生産性向上とランニングコストの削減
1~6項目を考慮して生産性向上を目指すめっき装置を提案出来ます。

 

お問い合わせは
省エネタイプ、エレベーター型亜鉛バレルめっき装置のリーディングカンパニー
三隆製作<お問い合わせ先>
http://www.mitaka-seisaku.co.jp/contact/

株式会社 三隆製作

〒434-0046
静岡県浜松市浜名区染地台六丁目5番12号
TEL:053-584-5539(代)
FAX:053-584-5540

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