亜鉛バレルめっきの真実 vol.1402016.07.27
亜鉛バレルめっきの真実
「酸性浴はめっき効率が良い。ジンケート浴はめっき効率が悪い」
ジンケート浴でも、電流密度を0.5A/dm2でめっきをすれば酸性浴並のめっき効率になります。 更にアルカリミストの発生も抑制されます。
酸性浴では、亜鉛金属濃度が高く、高電部と低電部の膜厚差が大きくなる傾向があります。 ジンケート浴では亜鉛金属濃度が低いので均一性を確保しやすいのも事実です。
また、酸性浴でもジンケート浴でも、電流密度を低くしてめっきした方がバレルドラム内のめっき膜厚のバラツキが抑制される傾向にあります。
めっきをする製品の形状・容量により、めっき浴・電流密度を選択する事が重要です。
「均一電着性の光沢剤はめっき効率が良い」
均一電着性の光沢剤は高電部へのめっき被膜折出を抑えて、長物サイズのボルトの膜厚の均一性を確保するものです。
めっき効率を50%に抑制しています。
その結果としてアルカリミストがより発生し、電気使用量も多くなります。
「バレルドラムの容積はめっき製品容積の3倍」
バレルドラム内でめっき製品に膜厚を折出させる為には、容積比が重要なのではなく見かけ上表面積がどのくらいなのか? 被膜が折出し易い環境が整えられているのか?めっき効率を高める状況とは何か?が重要です。
「バレルドラムの亜鉛金属濃度」
バレルドラム内の亜鉛金属濃度は時間経過と共に減少しています。
何故か?考えていますか?
水抜き穴に注意を向けた事がありますか?
バレルドラムの水抜き穴の開口率は20%程度です。 その穴の表面張力の影響でバレルドラム内外の交流が疎外されている事をご存知ですか?
更にそれが、薬品汲み出しの原因である事をご存知ですか?
「ファラデーの法則」
ファラデーの法則は基本ベースですが、その周りの環境を理解する事が重要です。
上記の項目を考えていく事で少ない電気使用量で膜厚を確保する事が出来ます。
従来の1/4の電気使用量で膜厚を確保する事が出来ます。
膜厚の均一性も実現可能です
「薬品使用量」
バレルめっきにおいての薬品使用量は、薬品補給量です。
バレルドラムによって汲み出された薬品を補給しているため、補給量は汲み出し回数と汲み出し量に比例します。
したがって、薬品汲み出し量を削減すれば薬品使用量は削減されます。
汲み出し量の原因は水抜き穴にあります。
バレルドラムの水抜き穴は丸穴が空いています。表面張力の影響で丸穴に薬品が留まり、丸穴の数だけ薬品を持ち出しています。
3mmの丸穴であれば、1回毎に1.5L~2.0Lのめっき液が持ち出されています。
タクトタイムが2分であれば、1.5L~2.0L/回 × 60分/2分 = 45L~60L/時。
24時/日・25日/月稼動であれば、45L~60L/時 × 24時/日 × 25日/月 = 2,7000L~3,6000L/月の薬品を、工程毎に補給している事になります。
汲み出し量・汲み出し回数を工夫する事で薬品使用量は激減します。
「定電圧制御と定電流制御」
めっきの数に対して複数の整流器で通電する場合、定電圧制御をします。
バレルドラムには定量の表面積の製品を投入します。その場合、生産量に制限が出ます。
更にバレルドラム事の通電量は均一を保証出来ません。つまり、ドラム事に膜厚差が出ます。
めっきはファラデーの法則に従っています。 単位表面積あたりに電流を通電する事で膜厚を折出させるので、定電流を流す定電流制御が必要です。
1バレル1電源方式が理想です。生産性向上・少ない電気使用量で膜厚を確保する事が出来ます。
「埋蔵金」の計算方法
現在のランニングコスト A円/kgとすると (一般的には20円/kg~25円/kg)
埋蔵金は
(A円/kg – 8円/kg) × 月生産量 × 12ヶ月 × 装置耐用年数(20年~30年)
<計算例>
● 使用中のめっき装置の生産量 500T//月
● ランニングコスト12円/kg~17円/kg
● 耐用年数20年~30年の場合
(12円/kg~17円/kg) × 500T/月 × 12ヶ月 × 25年 = 18億円~25億5,000万円
生産量が750T/月、1,000T/月であればさらに「埋蔵金」は増加します。
省エネタイプ、エレベーター型亜鉛バレルめっき装置のリーディングカンパニー
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