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めっき工場に於ける作業環境改善案 vol.1302015.04.07

「めっき工場に於ける作業環境改善案」

めっき工程において発生するガス・ミスト類は、どの場所から出てるでしょうか?

1.初段脱脂 脱脂温度は50℃程度、この工程からは主には蒸気が発生しています。
この工程で途中から電解脱脂になる場合は、アルカリミストが発生します。
2.酸洗 塩酸・硫酸を使用するので酸性ガスが発生します。
濃度に比例してガス濃度は濃くなります。このガスが装置・工場の柱・屋根を腐蝕させ る原因です。
3.電解脱脂 アルカリミストが発生します。
4.めっき 酸性浴では、ガスもミストも発生していません。
ジンケート浴では、アルカリミストが発生します。
最近の均一電着タイプの光沢剤を使用する場合はアルカリミストが多く発生します。め っき効率の関係があります。
電流密度 0.5A/dm2付近で通電する場合、アルカリミストの発生はかなり抑制されます。
電流密度 1.0A/dm2付近 ではアルカリミストは発生します。更に均一電着タイプの光沢剤使用 時は激しく発生します。
電流密度 1.0A/dm2でめっき効率が70%、均一電着タイプの光沢剤使用時はめっき効率が50%程度に抑制されるため、 その分アルカリミストになります。
5.後処理・硝酸 濃度により酸性ガスが発生します。

以上がガス・ミストが発生する場所になります。

ガス・ミスト類は排気ファンを使い局所排気をします。
労働基準監督署管轄で局所排気のルールがあり、発生するガス・ミストの種類により制御風速が、排気ケーシングの型式により排気係数が決められています。

後は排気ケーシングの位置と排気ファンの設置から、ダクトの太さ・長さ・曲がり具合をフローシート化して配管抵抗を計算して洗浄塔の大きさが決まります。

しかし、重要な点は排気ケーシングの設置位置です。

いかに発生するガス・ミストを効率良く排気ケーシング内に導き、洗浄塔にて中和させて大気に放出するかです。
めっきの現場でめっき臭がするのはガス・ミストが工場内に拡散しているからです

めっき装置の型などによって排気ケーシングが設置し難い場合に、大気拡散ではなくて 工場内にガス・ミストが拡散してめっき臭さになり、作業環境が悪くなるのです。

 

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