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vol.35 ドイツ めっき工場視察(2010年8月27~9月3日)2010.11.17

表面処理装置にめっきの原点を見た。
2010年8月27日~9月3日 ドイツ フランクフルトを訪問し、近隣の表面処理
専業工場を視察した。

日本では35℃の猛暑のなか出発。フランクフルト空港へは夕方6:00到着。
空港イミグレシーションでは、日本、韓国、中国、タイのように出入国
カードの提出はなく、パスポートの審査のみで入国許可のスタンプが押される。
質問もなく少し驚いた。


フランクフルト地図

現地の気温は20℃、湿度は低め。日本の秋のような気候だ。半袖では少し寒い。
入国の日が金曜日だったので、土日はライン川の観光、フランクフルト市内の
見学を行った。フラントフルトは、森の中にある都市というイメージ。
自然の懐に抱かれて生活している。自然との協調を感じる。

月曜日から毎日1社ずつ、めっき専業者の工場を訪問し、全部で4社の工場を
見学させていただいた。
4社、それぞれ設備の大小はあるが基本的な考えは同じに見受けられた。
装置は、もちろんキャリヤー方式。
エンジニアの私の目から見て、シンプルで合理的に設備が設計されていた。
現在、日本、韓国、中国で用いられている方式もほとんどがキャリヤー方式で
あるが、基本的なシンプルさと合理性が継承されていない。
つまり非生産的で無駄の多い設備になっていると感じた。

ドイツでの表面処理の50~60%はジンクコートを使用。(ドルケン社のドルフレーク
が70%のシェアを占めているとのこと。)
亜鉛-ニッケル合金めっきが25%、亜鉛めっきが15~20%の使用率とのこと。
環境負荷、コストを考えると上記の結論となるのは必然であり、CO2の削減、
環境負荷の軽減を考えると現状ではやむを得ない。

ドイツでは水の使用についても規制があるようで、訪問先の1社では1日(24時間)
当たりの水使用量が7tということだった。
7tというのは、水洗方法、リサイクルを考えないと日本では不可能な数字だ。

現在、日本国内では亜鉛めっきが主流であるが、水の使用規制、CO2排出規制が
具体的になるとドイツのような方向に行かざるを得ない。
しかしながらジンクコートの日本におけるコスト高を考えると簡単ではない。

やはり日本においては、亜鉛めっきの基本に立ち返り、耐食性の高い、安価な
方法として認識していただく道を選ぶべき、と考えを新たにした。

株式会社三隆製作
代表取締役 鈴木通正

株式会社 三隆製作

〒434-0046
静岡県浜松市浜名区染地台六丁目5番12号
TEL:053-584-5539(代)
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