バレルめっき装置のランニングコスト削減方法 vol.2462023.12.18
バレルめっき装置のランニングコスト削減方法
バレルめっきに掛かるランニングコストは、大きく以下になります。
1. 電気使用量
1) 膜厚析出に関わる電気使用量
2) 装置駆動に関わる電気使用量
3) 付帯機器に関わる電気使用量
2. ガス使用量
1) ボイラー 薬液槽温度維持
2) ベーキング炉 熱源
3. 薬品使用量
4. 亜鉛金属使用量
5. 給水使用量
6. 排水処理費用
上記ランニングコストの削減方法を一つ一つ解説していきます。
| 1. 電気使用量削減方法 | ||||
| 1) 膜厚析出に関わる電気使用量 | ||||
| より少ない電気使用量で膜厚析出を行うためには、膜厚析出環境を整えることがポイントになります。 めっき槽・バレルドラム内外の亜鉛金属濃度・苛性ソーダ濃度を一定に管理する。 ジンケート浴の特性を理解して上手く利用する。 ドラム内に陽極を設置する。通電時電圧降下・めっき効率向上・膜厚バラツキ収束・電解熱抑制 |
||||
| 2) 装置駆動に関わる電気使用量 | ||||
| めっき処理量能力を拡大することでタクトタイムを長くする。装置規模を縮小する。 | ||||
| 3) 付帯機器に関わる電気使用量 | ||||
| 排気洗浄塔・チラーユニット大容量の機器類を削減する。 少ない排気量で効率的に排気する。 電解熱発生量を削減する。 |
||||
| 2. ガス使用量削減方法 | ||||
| 1) ボイラー 薬液温度昇温・温度維持 | ||||
| めっき装置は連続運転が理想です。生産量が少なくても、ストックヤードを設けてタクトを長くすることでコンパクトなめっき装置がご提案出来ます。 無人運転も可能です。 |
||||
| 2) ベーキング炉 | ||||
| 連続炉であれば、熱量コストを削減し粗利益 約95%が可能です。 | ||||
| 3. 薬品使用料削減方法 | ||||
| 汲み出し量・汲み出し回数を削減することがポイントです。 バレルめっきでは、「汲み出し」が薬品のランニングコスト増の元凶です。 水抜き穴を長穴にすることで表面張力を減らし、通常1.5L ~ 2.0L/回と言われている汲み出し量を約0.5L/回まで減らすことが可能です。弊社装置では更に液切り動作をさせることでより汲み出し量を削減します。クロメート工程では液切り装置を導入して処理バスケットからの汲み出し量 約0.3L/回を実現しています。 汲み出し回数を削減することも重要です。タクトタイムを長くすることで、汲み出し回数削減を図ります。 また、今はCO2発生量が明示されていませんが使用する薬品も製造過程でCO2を発生させています。近い将来具体的数値が表示されると思います。汲み出し量削減はCO2発生量削減にも繋がります。 |
||||
| 4. 亜鉛金属使用量削減方法 | ||||
| 膜厚均一・膜厚析出バラツキ収束がポイントになります。 現状バレルめっきでは膜厚析出バラツキが大きいため、膜厚仕様をクリアーするために目標値を高くしています。 膜厚仕様 8μmの場合、平均膜厚値 11.5μm 膜厚仕様 5μmの場合、平均膜厚値 8.5μm 等。 膜厚均一・バラツキ収束で亜鉛金属使用量が削減できます。 |
||||
| 5. 給水使用量削減方法 | ||||
| 「水洗槽の底が見えるまで給水する。」この給水量に根拠はありますか? 弊社ユーザー様では、めっき5ラインの工場で給水使用量を1日当たり100m3、約25%削減されました。もちろん、各ラインの汲み出し量削減対策を行いました。 つまり、汲み出し量削減 ⇒ 給水使用量削減に繋がり、給水を減らすことが下水道代削減にも繋がります。 |
||||
| 6. 排水処理費用削減方法 | ||||
| 給水使用量の削減が、排水処理費用削減に繋がることは明白です。 また各薬液の汲み出し量が削減出来れば、スラッジ削減にも繋がります。 |
||||
次回vol.247では、【バレル内外めっき液交流効果】についてお伝えします。
省エネタイプ、エレベーター型亜鉛バレルめっき装置のリーディングカンパニー
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