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vol.23 めっき設備を検討するにあたって最適条件2010.04.12

■めっき設備を検討するにあたり、最適条件を考える。
従来めっき設備は、生産性(生産高)省人化(作業員数)をメインに考えてきました。
つまり、売上げを増やし人件費を抑制することにより利益を確保するということ
です。
しかし現在は、環境対応より厳しいコストダウンが要求されています。
したがって、バレルめっきにおいては”最適条件” を考えることによって、上記の
時代の要求及びユーザーの要求に応えることができる設備を選択していく必要が
あるでしょう。
現在使用中の設備がどのような条件で設計されているかを検証し、それを改善して
いく中から、環境対応(CO2削減・薬品使用量削減・水の使用量の削減)がイコール、
ランニングコスト削減となることを証明していきます。

<最適条件のポイント>
めっき効率 : 電気代をどのくらい使っていますか?(整流器の電気代)
① 電流密度の設定とめっき時間、つまりファラデーの法則によりどのくらいの
電流を与えて膜厚を析出させているか把握する。

② 従来 ジンケート浴においては、膜厚条件8μm以上の場合 電流密度
1.0A/dm2 で、50分程度のめっき時間を設定していた。
その場合の膜厚は(めっき効率70~80%として)、
0.285μm/分×1.0A/ dm2×50分×0.7~0.8=9.9μm~11.4μm となる。
しかし、バレル内の膜厚のばらつきが4μm程度あると考えて、平均12μmに
なるような設定、つまり10μm~14μmの膜厚が必要ではないかと思われる。

③ ジンケート浴の特性のひとつに、電流密度が0.5A/ dm2付近では
めっき効率が90%以上となる、ということがある。
vol.17 “電流効率を考える” のグラフA,Bを参照

④ 金属亜鉛濃度を管理し膜厚を管理する条件として、めっき槽内の金属亜鉛
濃度を一定にすることがある。
最近は、別槽溶解法を用い安定させる技術も確立されている。
また、バレル内の金属亜鉛濃度も一定にする必要があるが、めっき時間が
経過するにしたがってバレル内にある亜鉛が製品に付着することで、
亜鉛濃度が低下する傾向にある。
その対処法として、バレル外側からのめっき液の補充が必要になる。
・バレル穴の改善。これは薬品の汲み出し量にも関係する。
・エレベータータイプの場合、バレルの側面に穴を開ける。
これには、横行時にもバレル内の液を外へ押し出す効果がある。

⑤ 製品がボルト類の場合、M6~M20、長さが10㎜~200㎜、ワッシャーが
あるものと無いものなどがあり、表面積が変化に富んでいる。
そのため、1バレル毎に1電源(整流器)が必要となる。
長物100㎜以上の製品は、軸部と端部での膜厚に差が出やすく、軸部を基準
とするとネジが硬くなる。端部を基準とすると軸部の膜厚が薄くなる。
しかし、電流密度0.5A/dm2付近では、端部を15μmくらいとするならば、
差は6~8μmでおさまっている。
更に膜厚差を小さくしようとするならば、ジンケート浴の持つもう1つの特性、
電流密度を1.0A/dm2、1.5A/dm2、2.0A/dm2と上げていくと、両端部の
膜厚に、自己抑制により均一性が出てくること を利用する。
このことにより、表面積が大きい短物と長物を同一ラインにて均一に生産する
ことは可能である。

薬品使用量: 前処理・めっき・後処理にどのくらい使用していますか?
① バレルラインにおいて、薬品の使用量がバレルによる汲み出し量に比例する
ことは広く理解されている。
バレル穴の形状は丸穴で、穴そのものが液を汲み出しており、更に穴に
詰まった液がバレル内に残る液の排出をも阻害している。
つまり、汲み出しはバレル穴の表面張力が原因といえる。
そして、この穴が小さいほど汲み出し量が多くなる。
したがって、バレル穴を表面張力の働きをなくす形状にすれば、汲み出し量
を1/4~1/2 削減することが可能である。

水の使用量: 現在の設備で給水として使用している量はどのくらいですか?
その給水量は適切だと考えていますか? 必要最低限だと思いますか?

① 水の使用量は、前述の薬品の汲み出し量に関係している。つまり、汲み出し量
が削減されれば水の汚れも改善されるので、水の使用量を比例して削減しても
かまわないといえる。

② 排水処理場にて、最終的に排出するスラッジも薬品汲み出し量に
比例している。

以上、最適条件を考えるポイント述べてきました。

最適条件を考え環境に対応した設備を考えていくと、
同時にランニングコストも削減できるということが
ご理解頂けると思います。

株式会社 三隆製作

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