整流器の活用法 vol.2602024.01.26
整流器の活用法
整流器が手に入り難く希少であった時代。
めっき処理は、1台の整流器から複数のバレルドラムへ通電する”定電圧制御方式”でした。
定電圧制御方式では、投入量が違うバレルドラム1台1台に一定の電流を流すことは不可能です。
そのため、出来るだけ各バレルドラムに投入する製品の表面積を同じにすることが必要で、その作業は作業者の職人的勘に頼ることが多かったのです。
また、整流器からの各バレルドラムへの二次側配線にも配慮が必要でした。
サイリスタ型の場合は、通電時 9Vであっても定格電圧 12Vに制約されます
電圧制御方式では電流は安定しないため、投入製品により膜厚析出が異なることになります。
1980年代、整流器も価格が下がり、”1バレル1電源・定電流制御方式”が一般的になりました。
これにより生産性向上・膜厚析出精度向上・省エネルギーが実現しました。
またIGBTタイプは更なる省スペース・省エネルギーを実現しました。
しかし、めっき工場の雰囲気では維持が出来ず、整流器室を設置する必要があります。
めっき装置と距離を離す方法もありますが、デメリットが大きくなります。
距離を離すと配線抵抗が高まり通電時電圧が上昇傾向になること、また最近の非鉄金属高騰によって資材購入にも影響が出るためです。
生産性向上・ランニングコスト削減の視点から見れば、整流器は整流器室を設け、めっき装置の近くに設置することが最善です。
IGBTタイプの整流器は、通電量・通電時電圧がそのまま一次側電力になります。
つまり、通電量・電圧を小さくすることが膜厚析出に関わる電気使用量の削減につながるのです。
また通電量を小さくすることで電解熱発生量も削減、CO2発生量削減に繋がります。
弊社では、通電量・通電時電圧を小さくする工夫をしています。
「ドラム内陽極・通電時電圧降下方式」です。
膜厚析出に関わる電気使用量・電解熱発生量を半減※させることが可能です。
※当社比
次回vol.261では、【汲み出し量が元凶】についてお伝えします。
省エネタイプ、エレベーター型亜鉛バレルめっき装置のリーディングカンパニー
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